6月23日は64年目の沖縄慰霊の日でした。
64年前、300人以上の住民が「集団自決」で亡くなったそうです。
私は、「自決」という言葉から、それはなんだか迷いのない
潔い行為のように思い込んでいました。
でも、実際には軍からの「生きて虜囚の辱めを受けず」の教えに従うために、
断腸の思いで自分の親や幼い兄弟の命を自らの手で奪った人がいたのですね。
6月22日NHK放映のドキュメンタリー、沖縄 慰霊の日特集
「“集団自決” 戦後64年の告白~沖縄・渡嘉敷島~」では、
そんな男性が、家族を手にかけてしまった罪を背負って、
82歳の現在まで孤独のうちに生きてきた様子が映し出されていました。
すでに認知症が進み、食事や歩行もおぼつかない状態なのに、
6月23日は何の日か、と尋ねるインタビュアーの声に、
別人のように目を見開き「慰霊の日、ですね。」と
意外なほど明瞭な口調で彼は静かに話しました。
その横顔に、意識の奥底にまで刻み込まれた罪の深さ、
彼の人生の過酷さを一瞬にして見て取ることができました。
彼にこのような生き方を強いたのもまた、戦争なのですね。
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