2009年7月2日木曜日

映画「剱岳 点の記」見てきました。




私事ですが、夫と私は行動を共にすることがめったにありません。

その私たちが先日、珍しくも一緒に映画を見に行きました。
私の好きな作家、新田次郎の原作で、夫の好きな山登りがテーマという、
つまり、二人の利害が一致した映画だったからです。

映画の内容は、私にとっては予想通りで新田次郎の小説と同様
地味で武骨ながら、誠実な登場人物の生きざまが伝わってくるものでした。

映画の舞台であった明治40年当時、
陸軍参謀本部陸地測量部という部署が国防のために国土を測量し、
日本地図を作っていたんですね。

でも、あまりの険しさに未踏峰だった剣岳。
そのせいで、剣岳付近の地図は未完成のままでした。

そんな折、軍部上官から主人公の測量官に、
「軍の威信をかけてでも他に先駆けて初登頂せよ。」との
命令が下ります。

測量官は文官だから、必ずしもこの命に従わなくてもいいのですが、
彼は測量官として、この仕事を成し遂げようと決意します。

そして、たいへんな苦労の末登頂を果たし測量を行ったわけですが、
実は過去に行者が登頂していたことがわかると、
上官は、そんな命令は下さなかったことにしてしまったのです。

命がけで仕事を成し遂げた主人公に対し、なんてひどい仕打ち!(>_<)

陸軍という組織を守ることのみに腐心し、人を顧みない体質は
戦時中の軍のさまざまな行状とも、なるほど共通するなぁ・・・と
思い知らされました。

ところで、明治40年は私の父の生まれた年です。
スクリーンに現れる人々の風体や家庭の様子を見て、
「ああ、こんな時代だったのか。」と、
初めて父の生まれ育った時代を身近に感じることができました。

(k)

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